<ニュース 秩父地域 看護専門学校の閉校>

イチヨン

3月29日 お休みになります


看護師不足が深刻化 埼玉の秩父地域 専門学校閉校で要望書

地元の看護師会 地域医療が崩壊の危機 現状を説明

3/27(金)  埼玉新聞


埼玉県の秩父医療圏の看護師らで構成する秩父地域看護師会が、地域の看護師確保と医療・介護・福祉の維持に関する要望書を、秩父市、横瀬、皆野、長瀞、小鹿野町の首長に提出した 同会会長で秩父市立病院看護部長の新井寛子さんは、少子化高齢化によって看護師の不足が深刻化し、地域医療が崩壊の危機にある現状を説明 


秩父看護専門学校(同市熊木町)が2029年3月末での閉校が決まり、地域内の新卒入職者が見込めなくなることから、「行政と関係機関が一体化し、看護師確保の支援策を早急に検討してほしい」と訴えた

要望書提出は秩父市役所で行われ、同会の看護師、学校、介護福祉施設関係者8人と、秩父1市4町の首長が出席 同会は1月末~2月20日の期間、秩父地域の医療従事者や住民から2万7781人分の署名を集め、地域の将来を左右する喫緊の課題の解決へ向けた要望書を作成した

要望事項は、「看護学生に対する修学支援・奨学金制度の立ち上げ」「圏域外から看護師を招聘(しょうへい)するための移住・定着に向けた生活支援の支給」「医療現場の労働環境改善への財政的支援」「地元の若者への看護職PR活動の強化」の4点

要望書を受け取った同市の清野和彦市長は「各首長が署名の数を重く受け止めている 29年の秩父看護専門学校の閉校により、看護師確保の取り組みは地域住民の安心安全な暮らしと健康を守るための最重要課題であると認識している 今回の要望を参考に、意見交換を慎重に重ねていく」と話した


■地元の若い人材不可欠

一般病床165床、計9診療科目の秩父市立病院(同市桜木町)には3月現在、108人の正職員看護師が在籍 うち約30%が秩父看護専門学校の卒業生だ

新井さんは「看護師の新卒採用は、ここ15年以上、秩父看護専門学校出身者のみが続いている 地域外の看護学校卒業生を秩父圏内に呼び込むのは難しく、今後は新人だけではなく、幅広い中途採用の募集が必要になる」と深刻に語る

同校は、1998年に秩父郡市医師会によって設立された、三年制の秩父地域唯一の看護師養成学校 少子化に伴う学生数減少などにより、2027年度以降の新規入学生の募集を停止した 26年度の学生数は計40人 同校関係者は「特に、コロナ禍以降の入学希望者の減少が目立っている 医療従事者の過酷な勤務環境が報道されるようになり、若者の看護師志望者が少なくなってしまっている印象」と説明する

若者たちに看護師の魅力を知ってもらおうと、秩父医療圏の各病院では、地元小学生などを対象にした看護師体験や講演会、未就労者に向けた看護師の再就業技術講習会などを行っているが、「病院規模では、できることが限られてしまい、なかなか効果が見られない」と新井さん 秩父地域看護師会は各市町に、「地元の小中学生が地域医療を志すよう、キャリア教育や体験学習の機会を行政主導で継続的に提供してほしい」と求めている。


秩父医療圏は25年度以降、夜間の重症患者を曜日交代で受け入れる「2次救急輪番制」を市立病院と皆野病院の2病院のみで維持している 「50~60代になると、夜間まで働くのが体力的に厳しくなるため、若者の力が何としても必要」

新井さんは「看護師は、医療機関だけではなく、保育、福祉、介護、高齢者施設など、さまざまな場面で必要とされる地域を支える大事な仕事 地元の若者に、もっと興味を持ってほしい」と、切に願っている

<ニュース 東日本大震災15年 福島・福祉 先見えず >

イチヨン

〈東日本大震災15年〉福島の福祉、先見えず 

経営難で撤退決めた特養も 

3/23(月)  福祉新聞WEB


東日本大震災から15年  復興が少しずつ進み、震災の教訓を後世に語り継いでいく大切さも強調されるようになった  しかし、原発事故による避難を余儀なくされた福島県双葉郡の町村では、今も新しい町づくりへの奮闘が続いている  福祉や介護もまだ先が見通せていない  現地の社会福祉協議会や介護サービスの状況を聞いた


浪江町

浪江町社協の本部事務所が町内に戻ったのは、震災6年半後の2017年11月  生活相談や見守り支援などを行い、19年4月に訪問介護を始め、22年7月に新設された「ふれあい福祉センター」に移転し、通所介護も開始した

1日現在、利用登録者は訪問介護が27人  通所介護は51人で、1日約15人が利用する  週2回通う女性(93)は東京に8年間避難し、町に戻った

「不自由な思いをしてきた  特に住まいが大変だった」と震災を振り返った

利用ニーズは少しずつ増えており、4月から訪問介護は土曜日も提供する  しかし、職員は訪問介護4人、通所介護6人のため、「職員の負担が増えるのでサービスの拡充は簡単ではない」と佐藤祐一事務局長

利用者は介護度が軽い人が多い  町内に病院や入所施設がなく、重度の人は町に戻りづらい  

佐藤事務局長は「町外に避難していた6年半が空白になっている  当時はどう進んでいいか分からない苦しみがあった」と話す


大熊町

大熊町では20年4月に町の福祉拠点が新設され、社協本部事務所が9年ぶりに町に戻り、認知症グループホーム(GH)「おおくまもみの木苑」(定員18人)も開設された

復興へ期待を背負っての船出だったが、2月末現在、同苑の入所者は8人 職員が不足し、入所希望者も多くないため、9年間満床になることはなかった  経営難が続き、指定管理者の社会福祉法人おおくま福寿会は撤退  4月から別の事業者が引き継ぐ  町にはGHのほかに介護サービスはなく、必要な人は隣町のサービスを利用している

2月末時点で町内居住者は1088人(帰還者339人、新規者749人)で、そのうち65歳以上は18%。新規居住者の大半が20~50代で「働き手の町になっている」と半杭裕明事務局長

町には週2回、午前中のみ営業の診療所しかなく、ある程度自立している高齢者でないと暮らせない  そのため介護ニーズは少なく、半杭事務局長は「利用者が少ないのを分かっていて介護サービスは始められない」と話す


富岡町

富岡町では22年4月に特別養護老人ホーム「桜の園」(定員50人)が開設  隣接する「トータルサポートセンターとみおか」、社会福祉法人光美会(常盤峻士理事長)が指定管理者として運営する

10日時点で特養入所者は36人いるが、開設後4年間、1ユニット(10人)は空床のまま  生活相談員の栗原健太さんは「帰郷する人は自宅で生活できる軽度の人が多いと感じる」と言う

職員は30人  人材確保が思うように進まず、外国人介護人材を4人採用した  そんな中、同町の小中学校卒で、高校で福祉を学んだ鈴木亜佑菜さん(19)が25年4月に入職  「地元に貢献したくて迷いなく桜の園に決めた  いつも笑顔でいるよう心掛けている」と明るい

空床が続いているため、「介護保険収入だけで賄いきれず、町の指定管理料(年1億円弱、センターとみおか分を含む)と合わせて収支はぎりぎり」と加藤弘司施設長は言う

町内での認知度は広がっており、今後、町外に避難している町民への周知を強化していく


双葉町

原発事故で本部が避難した社協のうち、帰還できていないのは双葉町社協のみ

27年度を目安に戻れるよう協議中だが、確定していない  

現在、町民避難者の多い福島県いわき市、郡山市、埼玉県加須市などで事業を行っている

木口加代事務局長は「社協は地域福祉を担っているので町に戻らないといけない 戻ってくれれば心強いという声もあり、もどかしさを感じている」と話す