春日部 一般社団法人らしえる

障害の生きづらさを考える <行動援護>

<ニュース 自治体消滅 福島県 存続取組み>

 

人口減少率ワースト6位の福島県 
地域存続のカギは「女性・地域に関わる人」 住民による魅力アップ活動も
2024年04月24日 福島テレビ


民間組織「人口戦略会議」は、「消滅可能性」があると分析した744の自治体名を公表
福島県は33の市町村が消滅可能性自治体とされた。過疎化が進む地域は、差し迫った問題として存続に向けた取り組みを進めている


<人口減少率 全国ワースト6位>
人口減少の対策はまったなしの状況だが、福島県の推計人口は2023年10月時点で176万人。これは前年の同時期と比べて2万3000人少なくなり、減少率は全国でワースト6位となっている
福島県の人口の推移を見ると、ピークは1997年の213万人。そこから減少が続き2050年には約125万人になるとの推計もある(※国立社会保障・人口問題研究所)


<存続に向け 住民が立ち上がる>
福島県会津若松市の湊町。地区の人口は、最も多かった1955年の4632人と比べて3分の1以下の1479人。およそ半数が高齢者で、過疎・高齢化が進んでいる
「この集落だけで人口は15人ほど。ほとんどが単身世帯で、高齢者がお亡くなりになったら空き家に 新規の方は今のところ来る予定はないので、限界集落に近い集落」と話すのは、この地区で生まれ育った坂内美智男さん  このままだと湊地区のコミュニティーが無くなってしまうと心配している
そこで、地域の活性化や課題の解決に取り組むNPO法人「みんなと湊まちづくりネットワーク」を設立
利用者の要望に応じて運行するデマンドバスを走らせて暮らしやすい環境を整え、婚活事業なども手掛けてきた 前身の協議会から数えると、その取り組みは9年間に及ぶ
坂内さんは「いろいろな事業でいろいろな人を呼んで交流していく中で、湊いいな素晴らしいなというのを実感していただくためにも一生懸命やっていく」と話し、地域の活性化が移住者を呼び込むことにもつながればと期待している

     

<女性・関わる人がカギ>
福島県内の自治体や集落が存続するために、福島大学行政政策学類の岩崎由美子教授は「女性」そして「地域に様々な形で関わる人」がカギを握ると指摘する
過疎地域などを研究する岩崎由美子教授は「過去10年間の、福島県の女性の流出数を見ると日本でワースト1」と話し、県外に転出する女性が多い現状を指摘した上で、その地域で暮らし続けることを、どうサポートできるかが重要だという
「安心して働いて、出産も子育てもできるという暮らし方が、地方では進んでいない  社会保障などを整備していくということもとても重要な課題」と話す
また過疎化が進む地域については「集落だけで何かを始めるというのは難しい そこで関係人口の力を借りるとか、みんなで作っていくそういう場を作るという事が行政には求められているのではないか これから色々な手を打っていくことで、次世代が育っていくような福島県になる可能性は非常にあるのではないか」と話す

岩崎教授によると、高齢化率が40%を超える徳島県美波町では「賑やかな過疎町」としてITの力を使い企業誘致や若い人を集めているという
人口減少の特効薬はないが「どうスピードを落とすか」も重要と話していた

<ニュース 関東・自治体約3割消滅か>

関東の自治体約3割「消滅の可能性」
東京23区の一部など「ブラックホール型」も
2024年4月24日 NHK首都圏ナビ


日本全体の4割にあたる自治体で、2050年までに20代から30代の女性が半減し、「最終的には消滅する可能性がある」とした分析を、民間の有識者グループ「人口戦略会議」が公表し、関東では約3割が「消滅する可能性がある」と指摘されました
また東京都内の17を含めた25自治体が「ブラックホール型自治体」と指摘されました
「ブラックホール型」とは何か。どのような対策が必要なのでしょうか


全国744自治体“最終的に消滅の可能性”

有識者のグループ「人口戦略会議」は、国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとに20代から30代の女性の数、「若年女性人口」の減少幅を市区町村ごとに分析しました
2050年までの30年間で、若年女性人口が半数以下になる自治体は744あり、これらの自治体は、その後、人口が急減し、最終的に消滅する可能性があるとしています
10年前(2014年)に行われた同様の分析に比べ、「消滅可能性自治体」は全国で152少なくなっています これは、最新の人口推計で、将来の外国人の入国者が増加すると見込まれるためですが、有識者グループは、「実態としては、少子化の基調がまったく変わっておらず、楽観視できる状況にはない」としています
このうち関東では、316の自治体のうち、「消滅可能性自治体」はおよそ3割にあたる91でした

「ブラックホール型」自治体
また、今回の分析では、大都市を中心に、出生率が低く、ほかの地域からの人口流入に依存している全国25の自治体を、あらゆるものを吸い込むブラックホールになぞらえて「ブラックホール型自治体」と指摘されました 関東では東京都の17を含めて21と、全体の8割以上となっていて、こうした地域では、出生率の向上に向けた対策が特に必要だとしています
「ブラックホール型」関東では…
2050年までの30年間に20代から30代の女性の減少率が、人口の転入が一定程度続く場合には半数未満にとどまる一方、転入がないと仮定すると減少率が半数以上になる自治体
【埼玉県】▼蕨市▼毛呂山町
【千葉県】▼浦安市▼酒々井町
【東京都】▼新宿区▼文京区▼台東区▼墨田区▼品川区▼目黒区▼大田区▼世田谷区▼渋谷区▼中野区▼杉並区▼豊島区▼北区▼荒川区▼板橋区▼練馬区▼青ヶ島村


10年前(2014年)、東京23区で唯一、若い女性が大幅に減少し将来的に消滅する可能性があると指摘された東京・豊島区
今回公表された分析では、「消滅可能性自治体」を脱却しました
一方で、出生率が低くほかの地域からの人口流入に依存しているとして「ブラックホール型自治体」と指摘されました
区は10年前の指摘を受けて女性の声を施策に反映させるため、区内に住む20代から30代の女性や子育て支援の団体などで作る「としまF1会議」を立ち上げました
会議は2014年に6回にわたって開かれ、出されたアイデアをもとに、子育て支援や働く環境の整備などに関わる11の事業が実現しました

このうち、「子育て支援ナビゲーター」と呼ばれる専門の職員を配置する事業は区役所内に設けたスペースに職員が常駐し、妊娠や出産から子育てまで幅広い相談にのるほか、関連する窓口や機関につなぐ取り組みを行っています 11の事業以外にも子育て世帯の家賃を助成する制度も設けるなどして若い女性の転入を促してきました。区によりますと、区内に住む20代と30代の女性は、ことし(2024年)1月時点で4万8103人と10年前に比べて2500人余り増えたということです
一方今回「ブラックホール型自治体」と指摘された
豊島区企画課 澤田健司課長
「子育てしやすいまちづくりに取り組んできたことから若い世帯が転入してきたことも影響しているのではないか 今回の結果をうけて出産を希望しながら諦めている人への支援などにいっそう力を入れていきたい」


「消滅可能性自治体」減少も
一方、今回「消滅可能性自治体」を脱却した自治体は全国で239あります
また、65の自治体を「自立持続可能性自治体」と名付けています

「自立持続可能性自治体」関東では
2050年までの30年間に20代から30代の女性の減少率をもとにした分析で、人口の移動が一定程度続く場合だけでなく、人口移動がないと仮定した場合にも、減少率が20%未満にとどまる自治体
「100年後も若年女性が5割近く残っており、持続可能性が高いと考えられる」としています
【茨城県】▼つくばみらい市
【群馬県】▼吉岡町
【埼玉県】▼滑川町
【千葉県】▼流山市▼印西市
【神奈川県】▼葉山町▼開成町           


「人口戦略会議」議長 三村明夫 前日本商工会議所会頭
「日本は、本格的な人口減少時代に突入し、このままでは、日本経済は縮小スパイラルに陥り社会保障の持続性が大きく損なわれる
地域、経済、社会の3つの分野に重大なマイナスの影響を与えるもので、非常に憂慮している。このような未来を次の世代に残すわけにはいかない。子どもや孫の世代に豊かで幸せな社会をつなげていく責任が今を生きるわれわれ現世代にある」

「人口戦略会議」副議長 増田寛也氏(前回・今回とも中心となって分析)
「10年前の提言のあと、各自治体の人口減対策は人口の流出をどう抑えるかという『社会減』対策に重点が置かれ、若年人口を近隣で奪い合うこととなり、『ゼロサムゲーム』のような状況になってしまった
今回の分析では、人口規模の大きい自治体は『自然減』対策が、小さい自治体は『社会減』と『自然減』の両方の対策が必要であることなど、地域によっての特性の違いが浮き彫りになった 今後のまちづくりや人口問題の対策を考える上で参考にしてほしい」