春日部 一般社団法人らしえる

障害の生きづらさを考える <行動援護>

<ニュース 待ったなし困りごとは直面してからではなく>

 

「待ったなし」の身寄りなき老後の支援 
自治体が始めた独自サービス
2024年5月6日  朝日新聞 石川春菜 土肥修


「葬儀をしてくれる人がいない」「入院時に頼れる親族がいない」「認知症になったときのお金の管理が心配」
東京都豊島区の終活に関する総合的な相談窓口「終活あんしんセンター」には、日々、高齢者らの困りごとや不安の声が届く 
2023年度は延べ755件の相談があり、そのうち7割超は一人暮らしの人だった


窓口を設けたのは2021年から。豊島区は75歳以上の住民のうち独居の割合が4割近く、そうした人たちの暮らしを支えるためだ 豊島区民社会福祉協議会に運営を委託し、平日午前9時~午後5時、来所のほか電話やメールでも相談を受け付けている


身寄りなき老後、国が支援制度を検討 生前から死後まで伴走めざす
窓口では、身の回りの情報や、医療・介護、死後の希望をまとめる「エンディングノート」の使い方を伝えるなど、終活に関する情報を提供する
必要ならば弁護士や司法書士といった専門職につなぎ、見守りや、判断能力が低下した場合に備える「任意後見」、

葬儀などを頼む「死後事務委任」といった契約を結ぶのを支援してきた


案内する内容は、終活にとどまらない
障害がある子どもがいるなど、相談者が抱える問題に応じてほかの窓口にもつなげる
話を聞くうちに判断能力の低下があることに気づき、福祉サービスの利用の手続きや金銭管理などを支援する「地域福祉権利擁護事業」につないだケースもあるという
2022年には「終活情報登録事業」も始めた
緊急連絡先や遺言の保管場所などを区に登録しておき、亡くなった場合などには事前に指定した親族や友人などに情報が伝えられる これまでに約40人が登録し、ほとんどが一人暮らしの高齢者という


相談者の年代は、80代が37.5%、70代が32.6%を占める
担当者は「困りごとに直面してからではなく、もっと早い段階で備えるように啓発をしていきたい」と話す

        

<ニュース 発達障害 小児薬物療法認定薬剤師>

 

発達障害の悩みに寄り添う 

小児薬物療法認定薬剤師・関陽介さん
2024/05/06  福島民報


福島県会津若松市のいぶき薬局の薬剤師関陽介さん(43)は、小児薬物療法認定薬剤師の資格を持ち、発達障害を抱える子どもやその家族に寄り添った服薬指導をしている 「困った時に、まず初めに相談できる身近な存在になりたい」と意気込む

                   

小児薬物療法認定薬剤師は日本小児臨床薬理学会と日本薬剤師研修センターが2012(平成24)年度に創設した資格 従来の薬剤師の知識に加え、小児薬物療法分野の能力や適性を確認する 日本薬剤師研修センターによると、2024年3月末時点で全国では990人、県内では19人が資格を有している


関さんによると、近年は発達障害の疑いがある子どもが増える一方、専門医が足りず初診まで数カ月かかる事例もあるという 診察後に薬物療法を始めるが、服用方法や副作用に不安を感じ、適切な治療が継続できないケースも見られた


関さんら小児薬物療法認定薬剤師は発達障害や多動症、てんかんなどの知識を基に、電話やLINE(ライン)を活用した服薬指導や助言を行っている
いぶき薬局では医療サービス業カケハシ(東京都)の「ポケットムスビ」を活用し、LINEで症状などを確認している。トラブルの報告や悩みが寄せられると薬剤師が電話やメッセージで対処法を助言する

 

注意欠陥多動性障害(ADHD)のある女児の事例では、母親から「薬の服用中に、じっとしていられないことがある」と報告を受けた 副作用として多動の出現があるとし、服用の時間の変更などを提案し改善につなげた
「点ではなく線で関わることを意識している
地域の薬剤師として患者さんや家族の悩みを解決していく」と言葉に力を込めた
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