春日部 一般社団法人らしえる

障害の生きづらさを考える <行動援護>

<ニュース 高齢者 身寄りなし問題深刻化>

                  

高齢者の“身寄りなし問題”が深刻化?
介護・ケア現場に歪みも…急に倒れた時にサポートする人がいない
4/20(土)   ABEMA Prime


先週、厚労省が公表した「日本の世帯数の将来推計」によると、2050年の単独世帯の割合が4割以上になるという そして将来増えると考えられるのが身寄りのない高齢者だ
日本総合研究所は2040年、高齢者世帯のうち子どものいない世帯が3分の1にのぼると試算しており20年で倍増に
「入院する際の身元保証人は?」「もし認知症になったら?」「亡くなった後のことは?」
こうした課題に岸田総理は「まさに政治として寄り添わなければならない課題である」と述べており、支援体制の整備に向け検討が進められている


身寄りのない高齢者のケア、そして政策の在り方とは
官房長官時代に孤独・孤立支援を推進した、前厚生労働大臣・自民党の加藤勝信衆議院議員を招いて『ABEMA Prime』で議論した

   

■2050年には高齢者の4割が「身寄りなし」
加藤氏は「この問題は誰にでも起こり得ること 例えば、子どもがいても海外にいる場合など、サポートが期待できないこともある
身元保証だけでなく、体調不良時にサポートしてくれる人が必要であり、そこも議論していかなければならない」と指摘する
そんな中、加藤氏が会長を務める自民党社会保障制度調査会がプロジェクトチームを立ち上げた
誰もが安心して歳を重ねることができる「幸齢社会」に向けた包括プロジェクトで、地域包括支援センターや身寄り問題支援のNPOからヒアリングなどをおこなう
加藤氏はプロジェクトの内容について「元々は“認知症支援”の議論から出てきている 高齢者の生活支援として、1人暮らしの方が急な体調不良で救急車で病院に運ばれた時に、入院手続き等の身元保証人の問題、日常生活品の手配空けた家をどうするかなどをサポートする人がいない これから高齢者が増えていく中でどう支えていけるかを議論する」と説明した
また、「亡くなった場合の行政手続きや、ご遺体をどうするかなどの問題もある」と述べた

                                                                

■浮上する介護&ケアの問題
身寄り無し高齢者 介護ケアの実態
身寄りなし高齢者の介護ケアの実態として、身元保証人だけでなく、緊急連絡先がないことも問題だ
日常生活では買い物や銀行に行けない人や、住宅の賃貸契約で困難を要することもある また、死亡届や無縁仏、墓仕舞い、遺産、遺品、残留物をどうするかなどの課題もある
実際に、行政が遺体を火葬し遺骨を保管するケースも増えているという
横須賀市終活支援センター福祉専門官の北見万幸氏は「身元が分かっていながら引き取り手のないお骨も増えてきている」と指摘する
「経済力や家族がちゃんとしているかは別問題 スマホが見つかってもロックされていて連絡先が分からない エンディングノートを書いていても保管場所が見つからなければ全て無駄になってしまう」とした上で「情報の登録制度を急いで整備しないといけない」と警鐘を鳴らした
加藤氏は「日本の身元保証制度は、就職、学校入学、借家、入院、施設入所時など様々な状況で必要とされる 本当に必要なものだけを残して、不要なものは廃止すべき 必要なものについては民間も活用しつつ、行政が支援する仕組みを作る必要がある」と指摘する
また、地方自治体は人手不足の問題もあり何でもできるわけではない 「地域の中にあるNPOやNGOと連携をしながら、民生委員制度など、既存の仕組みを有機的に組み合わせていくことが重要」


横須賀市 行政初の「終活支援センター」
身寄りのない高齢者ができる対策として、北見氏は「私の終活登録」の利用を推奨する 連絡先や墓など“終活関連情報”を事前登録でき、緊急時に市が代わりに各所へ連絡する制度だ 「緊急連絡先、エンディングノートの保管場所、遺言書、お墓の場所、血液型、かかりつけ医などが登録できる」

               

一方で、元デジタル副大臣で自民党・新しい資本主義実行本部事務局長の小林史明衆議院議員は、マイナポータルなどデジタル基盤を活用し、自治体が積極的に情報を集約・共有することを提案する
「何かあった時に医療や遺産処理の意思決定を、スマートフォンからマイナンバーカードで簡単に登録できる制度を作るべきだ 海外ではできる制度が始まっている 日本もそれを取り入れることで、家族や友人に託すことができるようになる」
さらに「コミュニティに属するということが必要で、本人が健康になるだけでなく、あまりお金を使わずにプラスになる世界がある」 また「本当に困ったときのために情報の登録が必須だが、スマホを使えない人もいるので、国が一律のコールセンターで登録できる仕組みを作るなどすれば、費用を抑えてやることは可能」とした その上で「コミュニティを作っていく、支援をしていくNPOや中間団体をどう育てるかという議論が重要だ」と述べた

<ニュース 恋活・婚活マッチングアプリIRODORI >

「障害者の出会いアプリ」3万人突破 カップル成立
ADHD女性の思い
2024/4/20 13:00 産経ニュース 重松明子


障害者に特化した恋活・婚活マッチングアプリ「IRODORI(いろどり)」の利用が広がっている
昨年7月の開始から9カ月で3万ダウンロードを突破、150組以上のカップルの縁を結んだ。「人間関係や恋愛に臆病になっている人たちも、ありのままの自分でパートナーを探してほしい」と、都内在住の会社員女性が開発した
利用者で最も多いのが、外見や学力からは判別しにくいADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害者を含む精神障害者だという


同性同士の〝友活 機能も追加
開発者の結城伊澄(いずみ)さん(32)は、薬学部を卒業後製薬会社に勤務営業先の精神科医を通じて、患者にとって「最初の会話」と「障害を打ち明ける不安」がコミュニケーションの壁となり、閉じ籠もりがちになっている現状を知った
「私自身もADHDの可能性を指摘されたことがあり、孤独で辛い時期があった 同じ悩みを抱えた人たちがスマートフォンでつながり、前向きに心を開いて人生を好転させるマッチングアプリをつくりたい」
専門家の力も借りて、1年以上をかけて構築したアプリは入会・利用ともに無料だが、なりすましや冷やかしを防ぐため障害者手帳の提示を求めている
軽度の人はお薬手帳 障害への理解がある健常者も利用でき、その際は運転免許証などで身元確認を行う


                     

             

ユーザーは30代が中心で、発達・精神障害者のほか、軽度の知的障害者や身体障害者も参加している 性別に関わらず趣味などの関心ごとに集まれるグループチャットや音声通話機能があり、そこから発展した「女性同士で悩みや情報、日常の出来事を共有したい」との声を受けた女性用〝友活〟機能も追加。これまでに延べ6千人がアプリ内で個別にチャットできる「マッチング」段階に進んでいる



利用はニックネームなどの匿名でOK 5年前にADHDと診断された女性(30)のケースを取材した
「幼少期から注意力がなくミスや遅刻はしょっちゅう 起床から10分刻みでアラームをかけて、今何をすべきか確認するなど対策はしていました 診断を受けて、『うっかり』とか『天然』で済まされてきた行動の原因が判明して腑に落ちるとともに、同じ境遇の人に会いたいと思った」 発達障害の人が集うバーに通い、そのコミュニティーで教えてもらったこのアプリをダウンロードした
「みんな何かしら抱えているものがある 自分はこういう障害がありますって告げたとき、そうなんだって、すごく自然に受け入れてくれる人たちがいて、とても優しい場所でした」
2~3日に1回はアプリを開き、ライブ機能も使って多数の男女と交流 100人ほどから「いいね」をもらい、活動3カ月目に4歳上のASD(自閉スペクトラム症)の男性とカップルが成立して退会した
「相手も私と同じように、障害を持っていることを知らずに悩みながら生きてきた 美術という共通の趣味と、子供はあまりいらないという結婚観が同じなことが、決め手になりました」と語る



IRODORI利用者は決して特別な人たちではない この女性自身、障害への最初の気付きは教員免許取得を目指していた大学時代 特別支援学校の生徒の特性を勉強するなかで「(発達障害が)自分に当てはまる」と感じた 教職をあきらめアパレル店員や派遣の事務職に就いたが、「同時進行の仕事が増えると許容量を超えてパニックになり、やっぱり1度病院で診てもらおうと…」
現在は障害者雇用でクリニックの助手をしている 「特性を理解してもらえる環境で働きやすい 障害が分かる前は周りに合わせようと一生懸命になりすぎて、鬱になっちゃった。無理しすぎないことが大事だなと思っています」
それは生き辛さを抱える誰にもあてはまる 虚勢を張る必要もなく、素のままでいられる場所は必要だ デジタル社会の象徴でもあるアプリが、素朴な心のよりどころになっていた